鼻から(経鼻チューブ、経鼻胃カテーテル)
鼻のあなからごく細いチューブをいれ、胃のなかに直接液状の食事をながします。
チューブを数か所顔の皮膚表面に縫いとめるだけなので、麻酔なし、もしくはかるい鎮静(注射)ていどですみます。
腎臓などがわるくて全身麻酔ができない猫ちゃんでもだいじょうぶですが、あまり長期の設置にはむかないといわれます。
体調がもどればはずすのもかんたんですし、チューブをつけたまま口からご飯を食べることもできます。
猫ちゃんもわりあいすぐ慣れて苦痛もすくないため、食事中にもリラックスしてくれます。
お世話するがわにとっても、口からの強制給餌にくらべると時間や精神的負担がだいぶ減ります。
チューブ給餌のなかでも、おそらくいちばん気軽にできる方法といえるでしょう。
難点は、チューブが細いので、なめらかで濃すぎない流動食、もしくはミルクのような液体食を用意する必要があること。
(水分が多いので量もやや多めになります。)
そして、鼻からチューブを入れるため、呼吸が苦しい猫ちゃんや、鼻の穴がまだ小さい子猫にはむずかしいということです。
また、細いチューブは劣化で硬くなったり、先端が腐食したりするため、一ヶ月に一度の交換が必要になります。
それがなんども続くのは猫への負担も増すことになるので、長期の場合は食道チューブなどを検討したほうがよいかもしれません。
メリット
鎮静注射で眠っているあいだにでき、全身麻酔をしなくてすむので高齢や腎・肝等の疾患があってもOK。
はじめるのもやめるのも簡単。
鼻チューブでも口から食べられる。
猫も飼い主も心身の負担が少ない。
デメリット
長期の使用はむずかしい。
子猫や呼吸器疾患のある猫には使えない。
チューブが詰まりやすいので薄めの流動食しか使えない。
注入にはやや時間がかかる。
必要量を与えるには1日に4~6回の注入が必要。
ほとんどのケースでエリザベスカラーが必要。